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時は大正―――。事故で右手の自由を失った珠彦は父から田舎の別荘と金で買われた嫁の夕月をあてがわれた。家を追われ、引き籠もりの厭世家となり果てた珠彦にかいがいしく、心を込めて世話をする夕月。いつしか彼女を幸せにしたいと思い始めた珠彦だが…。そんなある夜、珠彦の前に見知らぬ娘が現れて!? 大正ノスタルジックホンワカストーリー第二巻! アマゾンより引用
大正処女御伽話 第2巻
第1巻の続きからになります。
表紙には妹の珠子が中心に大きく書かれていて、その後ろには小さく大柄の珠子に隠れるように夕月が書かれています。相変わらず着物の複雑な模様が大変丁寧に書き込まれていて、キャラクターのデザインは可愛いですし、大正時代の物語として、とても好感が持てる表紙になりますね。
夕月を幸せにしたい。交通事故以来、あれほど絶望感しか感じていなかった珠彦が、ここまで心変わりをするきっかけになったのは、突然雪の降る寒い夜に屋敷にやってきた夕月でした。
その夕月がこの場で気になってしかたがない珠彦は、どうしてこんなことを思ったんだろう、おこがましいにも程があるのでは・・・と三人での食事中にぼーっとしてしまいます。
その時、妹の珠子が突然、急な話ですが、私は明日帰らせて頂きますと話だし、私はお医者様になろうと思っていることを、この場にいる兄の珠彦とその嫁になるであろう夕月に話しかけるのでした。
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あまりの出来事に驚く珠彦は、医者になるってなんで急に、どうやってと?尋ねると、珠子は神戸のおじさまにお電話をしたところ、おじさまはいつでも来なさいと言ってくれているとのことで、状況の分からない夕月は一人で??な表情をしています。
どうやら珠彦の叔父が神戸で病院をやっているらしく、珠子はその叔父に頼って、志摩のご令嬢に医者の肩書が付けば、この上ないえさになりましょう・・・といえば、あの父親も快諾しますわ、自分の利益になるものに寛大なあの父ならと笑顔で答えます。
その話を聞いて心配そうに珠彦を見上げる夕月。無言のまましばらく時間は過ぎます。
その夜、縁側で珠子が一人座っていると珠彦がその横に座り、色々言いたいことがあったが、言いたいことだけ、言うことにしたと話しかけ、ありがとうと恥ずかしそうに話します。
しかし、珠子は、はぁ?と怖い顔でにらめつけてしまいます。珠彦は何ゆえ急に医者を志そうと思っているのか?と、真顔で質問をするのですが、珠子は私のことなど放って置いてくださいませと取り合ってくれません。
珠彦は、じゃあ、どうして僕のところへ来たのかと問い、他の兄弟やおじさんのとこなど行くとこはあったのではないか?、僕とお前は本当に血が繋がった兄弟だからここに来たんだろうと何かを悟ったような目で珠子に話すのでした。
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