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水中特攻兵器「回天」と渡辺たちを乗せ作戦海域へと向かった潜水艦・伊53潜は米軍に発見され爆雷の雨を浴びる。敵駆逐艦に囲まれた水深100メートルの海中――。危機的状況の中で、渡辺の戦友・関口は人間魚雷「回天」で出撃した。渡辺たちの命をつなぐために…。 アマゾンより引用
特攻の島 第4巻
第3巻からの続きになります。特攻の島の表紙は第1巻から男性が一人描かれていて、表情やそのタッチなどが戦争のそれをうまく再現しており、今回も黄色一色の墨絵のような感じで、回天搭乗員をそのまま撮影したかのような完成度になっています。
昭和19年冬。
上空を飛翔する航空機をスケッチブックを手にしたまま見上げる渡辺。そこに総員集合がかかったぞと声がかかり同じ回天搭乗員の関口と笑いながら移動する渡辺・・・。
そしてシーンは海中に移り、回天の中で一人で操縦をしている関口が悲痛な表情を浮かべて何かを思い出しながら、海上でアメリカ軍の駆逐艦から発射されている多数の爆雷攻撃をすれすれでかわしながら航行しています。
その時、関口の頭のなかには走馬灯のように、長官から祖国は今は一歩も引けない戦闘場面に来ており、このまま何もしなければ日本は焦土と化すであろう。戦局の重大性をかんがみ。ここに敵撃滅の新兵器が考案された。
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なお、この兵器は一度搭乗すればそこまで、生還を期することは出来ない。・・・その後に関口と渡辺の両者でバケツを持って廊下に立たされていたことを思い出し、貴様は他にあるべきことがあるように思う。この志願は俺が行くから貴様はやめろ。なんで志願したんだよ。俺が行くと言ったじゃないかと話しかける渡辺。
俺は死が怖い。理由は市に意味を見つけられないからだ・・・。もしも死ぬことに何か意味を見いだせれば、死は単なる恐怖ではなくなるはずだ・・・。そして、死に意味をみつけられるのは・・、生きる意味を見つけられた人間だけかもしれない・・。
旗艦から発進して、もう二度と生きて戻れない真っ暗闇の回天の中で、関口は渡部とのこの会話を思い出し、一言、全速前進といい。そのまま速力を上げて回天はどんどん直進していくことになり、涙を流している関口の思いとは関係なく、海上ではアメリカ軍の駆逐艦が関口が操縦している回天をレーダーで捉えたのでした。
駆逐艦のレーダーに捉えられた関口の回天に向かって、駆逐艦から爆雷が発射され、その爆雷はそのまま関口の回天に激突し、海中で大爆発を起こして関口は、一人壮絶な死を遂げることになります。
関口がこのようなアメリカ軍の駆逐艦に全速力で突入するような行動を行った理由は第3巻を見れば詳しく説明されていますので、興味があれば第3巻も合わせてご覧になってみてください。
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