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戦後、倒産の危機を迎えていた石油販売会社・国岡商店。終戦後、国内には自由にできる石油はなく、会社存続のため乗り出した本業以外の事業も芳しくなかった。進退窮まる中、突如石油を取り扱う事業がGHQから舞い込んだ。事業内容は「旧海軍のタンク底に残っている油を全て浚うこと」。かつて海軍でさえ敬遠した苛酷な作業だが、やり遂げなければ日本へ石油は輸入されなくなる。国岡は不退転の決意でこの難事業に挑む。 アマゾンより引用
海賊とよばれた男 第1巻
表紙はとてもシンプルで、青一色のみでネクタイを掴んで今にも駆け出しそうな男性が描かれています。第1巻を見ていないと話の意味が分かりくいでしょうから、このシリーズは順番に見ていくことをお勧めします。
旧日本海軍の石油タンクの底に溜まっている油を浚う仕事を依頼された国岡商店。この話を店主の国岡から聞いた店員たちは、GHQが日本政府に通達し、石油の回収は石統の業者を指定したときいている。それがなぜ今になって我々に回ってくるのか?、皆が疑問に感じ始めます。
そこで国岡がその件について、殆どの石統業者が、戦後に大量の社員の首を切っており、動員力が足りず、引き受けることができなかったそうだと店員に話すと、店員は、人員不足だったら国岡商店の出番ですね・・と納得をします。
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しかし、国岡は違うといい、業者が現れなかったのは、人員不足だけではない、この事業が大変な困難を要するものだからだと厳しい表情を浮かべて語り、どれほど困難であるかは、海軍から入社した元大佐の店員がそれを説明することとなります。
戦後末期、使える油はすべて払底していて、タンクの底の油ももちろんすべて使い、あることはあるけど、その油は雨水と泥がまじり、まさしく汚泥の中にわずかばかりの油が入っていると言った有様で、油を取ることは可能・・・。
可能であっても、実は厄介どころではなく、無謀とも言える仕事であり、ポンプも機械も使えないため、命知らずの旧海軍ですらやらなかった仕事であると話します。
タンク内にはガスが充満し、果たして酸素があるのかないのかわからない。
闇が支配するタンク底は恐らく油と泥で沼のような状態であり、何か不測の事態があっても足に絡みつく泥と油は体の自由を奪い、すぐに逃げ出すことも出来ない。
タンクの底の油を浚うという仕事は、まさに命の危険が伴う作業なのです・・・。
それを聞いた国岡や他の店員たちは、一斉に言葉がなくなります。
しばらくして、一人の店員が重い口を開き、国岡にこの事案は断るべきであり、GHQが日本政府に対して嫌がらせをしているとしか思えないことを告げ、石統加入業者がすべて断っていることもあり、皆の意見は断りましょうでまとまります。
それを黙って聞いていた国岡の判断はどうなるのか?、今後の会社の行く末を左右するであろう、海賊と呼ばれた男の強い意志がここで試される事となります。
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