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時代は明治41年。若き国岡鐡造(くにおか・てつぞう)は神戸高商の最終学年になり、従業員たった3名の「酒井商会」へと就職をはたした。神戸高商時代の同級生が大会社で活躍していく中、鐡造は腐ることなく着実に成果を上げていった。そんな折り、実家の稼業が傾き家族が離散状態になってしまう。独立して家族を養いたいと望むも資金のあてはない。そんな鐡造の前に旧知の日田重太郎(ひだ・じゅうたろう)が独立資金を「貸す」のではなく「あげる」というのだった。 アマゾンより引用
海賊とよばれた男 第4巻
第3巻からの続きになります。今回の表紙はマゼンタ系の色一色で、桜の花が散る中で、キセルを持った男性が描かれていて、何かを語りかけるような表情で誰かを見つめているようですね。
この巻では冒頭から店員を囲んで、国岡の学生時代の回想話から始まります。
明治41年僕は神戸通商の最高学歴になり、社会人としての一歩を踏み出す為、鈴木商店の採用試験を受けた。しかし、試験を一緒に受けた友人は採用通知が来たが、僕には来なかった。だがそれが自分の進路を決めるようになった・・・。
腹をくくった国岡が選んだのは、神戸の酒井商店という従業員3人の小さなお店であり、初めて社長に挨拶に行った際に、社長が自ら小麦を運んでいるのを見て大変驚いたものの、これからお世話になりますと挨拶を交わします。
ところが、酒井商店に入店を決めた数日後、あの大手鈴木商店から採用通知が来ることになり、神戸通商というエリート学校を卒業していた国岡が、従業員3名の小麦と機械油を扱う個人商店で働くことを心配する表紙に書かれている男性がいます。
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しかし、国岡はこれは運命であると言い、酒井商店で商いのイロハを学ぶので迷いがないことを告げ、結局大手の鈴木商店ではなくて、小さな酒井商店の丁稚として社会にでることになります。
酒井商店が扱っているのは、小麦と機械油であり、国岡は小麦を任されてリヤカーでそれを配達、集金、すべての仕事を自分でこなさなければならず、神戸通商で学んだ経済学など全く役に立たないままリヤカーを引いていると、三井物産に入社した同期と偶然道ですれ違います。
そこで、同じ神戸通商を卒業したスーツ姿の同期から、俺も小麦を扱っとると言われ、帳簿を見せられるのですが、それに書かれていた金額は国岡が扱っている金額の50倍であり、丁稚の格好をしている国岡を見てせいぜい頑張れやとその場を後にします。
国岡は自分が間違っていたのだろうかと海辺で1人悩み、神戸通商で学んだことが何一つ役に立っていないけど、いずれは大きな商いをする時に活きてくる、自分はもしかしたらとんでもない間違いをしているのかもしれないと・・・。
そのせいで大幅に帰りが遅くなった国岡を店主の酒井はずっと待っていてくれて、国岡が仕事で遅れたのではないことを知っていながら、暖かくお茶を入れて酒井商店の宝であるといってくれるのでした。
国岡はこの時、本当にこの店で頑張ろと決め、その後に従業員3名だった酒井商店は急激に成長していくことになります。この4巻位から、タイトルの海賊の意味がだんだんわかってくるので、見ていても面白いですね。
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