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元勘定方の牧野玄太郎が身分を隠して絶品蕎麦を振る舞う屋台[幻庵]を舞台に繰り広げる大江戸人情百景。「仁王」の異名を持つ南町奉行の娘に恋した役人、玄太郎の蕎麦仲間の店を買収しようとする大店の店主、美人芸妓・藤丸を付け狙う謎の二人組……本巻も様々な人情劇を、粋に美麗に魅せます。 アマゾンより引用
そば屋幻庵 第8巻
第7巻からの続きになります。今回の表紙は玄太郎が何やら蕎麦の出前をしているような格好をしていて、蕎麦を運ぶような入れ物をかついでいます。一方の藤丸はお座敷で接待をする際の立派な着物を着ているようで対象的ないつもの二人が描かれています。
冒頭から、凄まじい形相で、貴様に世乃を嫁がせる気など毛頭ないわと、睨みつけている町奉行、常磐が激怒していて、その先には必ずや世乃殿を幸せにします故、何卒、とお願いしている若い侍の姿があり、常磐が一言、口で言ってもわからなぬなら、身体でわからせてやろうと鞘から日本刀を抜刀してしまいます。
その凄まじい眼力と迫力に押された若い侍は、その場でどうすることなく、常磐の刀が首の前に届き、それを見た常磐は、糞度胸だけは褒めてやると認めるのですが、わしは勘定方に世乃を嫁がせる気がないと言い放ちます。
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この若い侍、どうやら勘定方の岡崎という役人らしくて、悪党どもを一声で黙らせる鬼奉行の常磐の恐ろしさに震えてしまうのですが、それにしてもなぜ、常磐がこれほど勘定方が嫌いなのかを疑問に思い、横に座っていた世乃にそれを尋ねることになります。
その夜、玄太郎が店を出しているそば屋に出向いた岡崎は、常磐がなぜ、勘定方の役人をきらっているのだろうか、と、そば屋のオヤジである玄太郎に相談して意見を求めるのですが、玄太郎にはどうやらそれに心あたりがあるようです。
かつて、勘定方の役人のトップとして常磐と将棋をしていた玄太郎は、その際に、玄太郎が早々に隠居したことを常磐が嬉しく思っていることを告げ、勘定方は役所の中でも特に不正が多い、銭金を扱い利権が絡むそのような勘定方にはまっすぐな玄太郎には長くいてほしくなかったようです。
更に、常磐は、今度は玄太郎の息子である栄次郎がその苦労を背負い込むわけだが、何か困ったら遠慮なく行ってこいと玄太郎に話すのでした。
そのことを思い出した玄太郎は、この勘定方の岡崎という侍は、竹のように真っ直ぐな性格なので、不正を見つけようなら黙って見過ごすことなど出来ない、そのため、役所でどのような圧力がかかるかも分からないので、勘定方に娘を嫁がせたくないのだろうと状況を理解するのでした。
果たして、困り果てている岡崎に対して玄太郎はどのような対応をするのでしょうか?
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