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勘定方の要職を早々に致仕した牧野玄太郎が営む、絶品夜鳴きそば屋[幻庵]には、っきりなしに客が訪れ連日大賑わい。その中には、一風変わった客もちらほら―――…。病床の父のために思い出の蕎麦を探しまわる少女、町奉行の屋敷に盗みに入った間抜けな盗賊、玄太郎に熱い視線を送る髭ヅラの男、良家の娘と喧嘩してしまった奉公娘、飯を食わない絵師見習い… アマゾンより引用
そば屋幻庵 第12巻
第11巻からの続きになります。表紙では何かを手でさしながら連れ添って歩くような玄太郎と藤丸が描かれていて、玄太郎は武家の服装、藤丸は座敷用の服装をしています。
冒頭では息子の栄次郎とその嫁、かなえが座敷で座っていて、孫の玄之輔を抱きかかえる玄太郎がお食い初めにはそばがきを用意したいと二人に話しているのですが、栄次郎は、父上、お食い初めにそばがきとはあまり聞いたことがございませんがと答えます。
玄太郎は、蕎麦は体の中を浄化すると言われており、それが由来となり、清め祓うという、ありがたい縁起物となったのだと笑顔で答え、棟上げ蕎麦、引越し蕎麦、年越し蕎麦、全て然りだ・・・。
したがって、お食い初めに蕎麦がきを加えることには悪しきものを祓い、健やかに育ってほしいとの願いがあると説明します。
それを聞いた息子の栄次郎はなるほどと答え、嫁のかなえもお父様のそば好きを今からたっぷりと教育しておきたいわけでございますねと答えるのでした。
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当時は、生後百日前後を経たところで、飯や魚、餅、吸い物などの全部を誂えて、赤子に食べさせる真似を行った。これがいわゆるお食い初めであり、起こりは平安時代と言われるとのこと。
いつもの場所でそばの屋台を出していた玄太郎は、藤丸を含めていつものメンバーに囲まれて、そばがきの話をしていた所、藤丸からどうしてそばがきを?と尋ねられます。
玄太郎は、笑顔で比較を楽しんでいただこかと答え、近々、最高のそば粉が手に入るので、その時は極上のそばがきをごちそうしますよと、笑顔で答えるのですが、どうやら玄太郎の書状が信州の峰蔵に届いた頃らしく、それで極上のそば粉が手に入るようです。
その頃、信州では、玄太郎の初孫のお食い初めのために作った最高のそば粉を持って、茂三がひとり江戸に向かって移動を始めます。そして、途中の軽井沢宿にて、そば屋にはいってみると、どこかの女中が蕎麦と汁だけ分けてほしいと嘆願しています。
そばを食べてた後、宿街を歩いていた茂三は、先程の女中が女将から怒られているのを偶然見つけ、そこで女中が倒れてしまったのを見て、さっきのそば屋でのやり取りを聞いていたので、気になっていた、事情を聞かせて欲しいと訪ねます。
しかし、その女中は、その場で意識を失い倒れてしまうのでした・・・。この女中は助かるのか?、茂三は無事に最高の蕎麦粉を玄太郎のもとに届けることが出来るのか?
人情味あふれる登場人物による、ひと波乱が始まりそうです。
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