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ときは寛政年間、場所はお江戸の新橋辺り…夜鳴きそば屋として第二の人生を謳歌する元旗本・牧野源太郎の屋台には、今宵も様々な客が訪れる――西国から音信不通の妹を捜しに来た武士、やたらと盗賊に縁のあるお調子者の奉公人など、今まで以上に個性豊かな客とのやり取りに加え、ある有名画家の幼少期に玄太郎が関係する、いつもとはちょっと違った風味の話も収録! アマゾンより引用
そば屋幻庵 第5巻
第4巻からの続きになります。表紙にはいつもの玄太郎と藤丸が描かれていて、今夏の玄太郎は武家らしい立派な着物を羽織っており、藤丸は日傘をさして、芸者として今にも座敷にあがる前の着物を着ています。背景は紅葉のようですね。
田舎から出てきた侍が、みすぼらしい格好をしてお店の前で江戸の旗本の関係者とトラブルになっており、それを見た店の店主が、店の前ではやめてくださいと止めに入るのですが、そのあまりにみすぼらしい姿を見て、思わず、店主がうちの店は安くありませんが・・・と話します。
どうやらこのみすぼらしい侍は、手持ちのお金もほとんどないようで、腹をすかせて裏通りで座り込んで水を飲んでいると、蕎麦の屋台を背負った玄太郎が付近を通り、具合でも悪いのか?と訪ねます。
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みすぼらしい侍は、恥ずかしながら腹が減って仕方がないと言い、あいにく蕎麦は切れてしまいましたが、賄い分が余っているので召し上がりませんかと快く答えると、侍はかたじけないと嬉しそうに蕎麦を食べ始めます。
こんな旨い蕎麦は食べたことがないと言いながら、代金を払おうとするのですが、玄太郎は代金はいらないといい、失礼ながらかなり無理をして江戸に来られた様子なので、出費はなるべく控えたほうが良いといつもの調子で答えます。
そうしていると、この侍は土田新右衛門と名乗り、妹が一年前に江戸に出たまま頼りの一つもなく、良からぬ連中とつるんでいるとの噂を聞き、年老いた両親は寝込んでしまう始末で、それで拙者がこうして長州から妹を探しに来たと話します。
また、普段は内職で食いつないでいるらしく、満足な路銀もなく、このような有様で、妹はふかがわで見かけられたことを伝えると、玄太郎は丁寧に深川に案内することになるのでした。
その後、深川で土田が1人で妹をさがしていると、ガラの悪そうな侍たちにぶつかり、謝ろうとすると、実は昨日の晩、店の前でトラブルになっていたあの連中であり、俺達のシマでうろつくなと言われるのですが、その中に妹がいることに気がつくのでした。
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